近年、地球温暖化の影響により、異常気象の発生する回数が増加している。それだけではなく、地球温暖化が与える悪影響は年々増加している。そのため、どれだけ地球にやさしい社会を築くかが重要である。そのため、太陽光パネルを始めとする、再生可能エネルギーを最大限に活用していく必要がある。
より地球に優しい場所を 太陽光パネルの発電ポテンシャルがどのくらいあるのかを明らかにする
羽田空港
・Climate Trace →温室効果ガス（GHG）排出量をリアルタイムで追跡しているもの。 ・東京ソーラー屋根台帳(ポテンシャルマップ) →東京都内の建物の太陽光発電や太陽熱利用システムの設置適性を確認できるWebマップ。東京都環境局と東京都環境公社が連携して開発し、2014年3月に公開されたもの。データの最終更新日は2024年。
今回は、Climate Traceでデータがあった羽田空港を対象に研究を進めてみました。 Climate Trace上では、羽田空港は2023年に5,840,000 tCO2を排出したということがわかりました。
次に、東京ソーラー屋根台帳で、羽田空港の発電ポテンシャルを確認します。この東京ソーラ屋根台帳では、スポット別に発電ポテンシャルが算出されているわけではなく、建物ごとに発電ポテンシャルが算出されています。そのため、今回は、羽田空港第一ターミナル、第二ターミナル、第三ターミナルの主な建物をみてみました。 まず初めに、第一ターミナル。 発電ポテンシャルは、92,241,115 MJ/年。これによって、年間のCO2の削減量は4962.6 tCO2が見込めます。 次に、第二ターミナル。 発電ポテンシャルは、5,050,439 MJ/年。これによって、年間のCO2の削減量は2469.7 tCO2が見込めます。 次に、第三ターミナル。 発電ポテンシャルは、5,373,912 MJ/年。これによって、年間のCO2の削減量は2628.8 tCO2が見込めます。 これを合計すると、発電ポテンシャルは、102,555,466 MJ/年。これによって、年間のCO2の削減量は10,061.1 tCO2が見込めます。 数字だけでは、想像がつかないと思うので、例で挙げると、1 MJは、電気ストーブや、ドライヤーを16分40秒使うことのできるエネルギー量に相当します。 1 tCO2は、杉の木約71本が1年間に吸収するCO2量、ガソリン車が半年で移動する距離に相当します。
Climate Traceに載っているデータは、限られたスポットしか載っていない。また、東京ソーラー屋根台帳には、東京の発電ポテンシャルデータしかないため、他の場所と比較したくても現状この2つの媒体だけでは比較できない。 発電ポテンシャルマップは3Dの地図ではなく、平面になってるので、どのくらいの太陽光パネルの設置面積があるのか正確にわからない。
今回は、Climate Tracewを使用して研究を行いましたが、次は、同じく、東京に存在する、青山キャンパスを対象にやってみたいです。
矢野 郁香. (2015). GIS空間モデルを用いた市街地の太陽光発電ポテンシャル推計に関する研究 (第1報)建物データ市街地空間モデルを用いた推計方法の提示と改善点の検討. 社会教育学会大会研究発表要項, 2015.10, 189. https://doi.org/10.18948/shasetaikai.2015.10.0_189 辻田 百合菜. (2017). ドイツ・エアランゲン市と西宮市を事例とする市街地に おける太陽光発電設置の地理的要因の 分析とそのポテンシャル評価 －GIS による空間統計分析を用いて－. https://core.ac.uk/download/pdf/143641623.pdf 若月 泰孝. (n.d.). 地球温暖化と気象災害との関連. https://doi.org/10.18943/safety.57.1_2