誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課 #32
azu
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神奈川県座間市の生活援護課を舞台にした書籍。
めちゃくちゃ面白かった。
健康で文化的な最低限度の生活とかも似た話である。
社会的な問題と未知の問題は重なり合う
コミュニティ・オーガナイジングとかでも、社会問題は往々にして社会的にパワーのない人のところに集まると話があった。
これと同じように、市場的なニーズがまだはっきりしてない部分 かつ 政府がまだ扱ってない部分 には社会的な問題が多く存在している。
その問題領域には、何かはっきりとした解決方法(プロダクトや専門領域)があるわけでも、法律のような制度がないような未知の問題が集まる部分がある。
この本でも、まさにそういう間の領域にある社会的な問題が多く出てきなーという感じでそこが面白かった。
とか
とか
といった話が出てきて、実際にその領域で出てきた事例を見れたのがよかった。
コミュニティの力: 市場経済における非営利組織(NPO)の機能という論文では、この未知の領域を扱うのがコミュニティであり、NPOなどがここに当たるという話だった。
この書籍は、座間市役所の生活援護課が舞台の話であるけど、こういった問題を市が全て解決できるわけでもない。
なぜなら、衣食住だけじゃなくて仕事とか孤立とか死後とかかなり幅広い問題が重なり合ったのがものが問題として出てくるので、全ての問題を1つの団体で解決するのは相当難しい感じがする。
そのため、NPO法人ワンエイドとかはたらっく・ざまなどのNPO法人と連携して問題の解決に当たるという窓口の役割をちゃんとしていてすごくよかった。
この辺の連携がうまくできている点が、この書籍が書かれた理由なんだろなーと思った
生活困窮者自立支援法と生活保護法
生活困窮者自立支援法と生活保護法という2つの違いをあんまり知らなかった。
生活保護は収入自体が一定以下じゃない受けられないなど色々な制限があって、実際に収入はあるけど生活に困ってるような人もいる。
なので、生活保護の前段のレイヤーとして生活困窮者自立支援法というのが2015年にできたという話らしい。
自立を促進するための法というのが結構面白い視点で、この本でもこの話が結構できてた。
リーマンショックあたりの影響で作られた法で、まだどう扱えばいいのかわかってない部分もある感じもしたけど、解釈次第で色々できるみたいな感じの使い方をしてるのかなーと思った。
関連する話として、自立が孤立につながるという話もあって、日本伴走型支援協会というところの動画がかなり分かりやすかった。
お金とか住居的な支援だけして自立させたつもりになるけど、コミュニティ的に孤立するので別の問題が起きたり根本の問題が解決しなかったり。
たとえば、座間市でも18%ぐらいが生活保護を受けている計算になるけど、高齢者が多い。
これは被保護者調査見ても高齢者の割合は多い。
なので、単純に自立させただけだと、「その人の死は誰が看取るのか」問題が出てくる。なので、自立が孤立につながると根本の問題が解決しないという話だった。
書籍中でも、ケースワーカーの人が訪問して最後を看取る話とかもあったので、この辺が難しい問題なんだろなーと思った。
寄付の文脈でも、Charityだと根本的な問題は解決しないので、Philanthropyという言い方をしてるとかも同じような話なのかなーと思った。
この書籍は4-5コぐらいの実際のケースを紹介しながら書かれてるんだけど、200-300ページなのですごい内容が詰まっている感じがしてよかった。
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