CanSatの寸法や使用するアクチュエータ、バッテリ、カップリングなどの部品選定について決定する。種子島ロケットコンテストの大会要領から各条件を決定していく。また部品配置や部品形状についても方針を決定する。
参照:https://github.com/CanSat-FUSiON/mission5-mechanic/blob/main/contest2025_rule.pdf
ARLISSに出場することを想定していたため、寸法制限はARLISSに則っている。
- 種コン
- 直径146mm,高さ300mm,質量1050g以内(付属物含む)
- ARLISS
- 直径146mm,高さ260mm,質量1050g以内(付属物含む)
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モーター要求
- 1kgのCanSatが時速3km程度で前進できる。
- 2〜4セルで2A以内で回る
- 俊敏な動き(応答性の良さ)
- 上限32V下限6.5V
- ブラシレスは回路・制御が複雑になることから避けたい
- 必要トルクおよび回転数は下限60mNm(乾燥地面)〜180mNm(ゆるい砂地)、120rpmとする.(【諸計算】※1※4)
- CanSatの大きさより60mmを超えるものは好ましくない(カップリングが入らなくなる可能性あり)
- 従来のギヤードモータでは出力が足りない.導出したモーターの諸元(※1※4)から出力を計算すると
218710-3[N]×127[rpm]60=2.4869W(ゆるい砂地)
となるため出力が2Wほどあるモータを選定したい - 伝達軸に切り欠きがあるとその点から破断しやすくなる.モーターには伝達軸とシャフトの固定のために横穴をあけてあるものがあるが、破断の観点から選定は避けたい.
- 高いモーターは複数個買って実験しにくいので安い方を選択
※1 時速3km
時速3kmになるにはタイヤ径を125mmとすると
1回転で進む距離は125×π=392.699[mm]よって回転数は3106[mm/h] / 7640[回転/h]=127rpm※2 大きさの制限
φ30以下(それ以上大きいと基板周りが上に移動するため基板がタイヤ径より大きくなる)※3 重さの制限
100g以下(二つで200gまで)
機体重量構成が基板300g、モーターなし構造が200g、バッテリーが100g以内のためモーターが200gを超えると余裕がなくなる。なお重量については機体重量が800g以下、エンベロープとパラシュートを合わせて200g以下となることを目指す。※4 必要なトルク
ゆるい砂地になる可能性を考え転がり摩擦係数が0.3になるとすれば(参照URL)機体重量1kgのものを動かすには、最低2.94N必要。タイヤ径を125mmとするとタイヤ中心にかかるモーメントは2.94×12510-32=183.75mNm新しく砂利を敷いた道路は摩擦係数が0.12で約1/3となるためモーメントは計算した値よりも小さいと推定される。
これらの要求から、モーターはJGA25-370 Geared Motor - Seeed Studioを選定した。- 定格電圧 12VDC
- トルク - 定格(オンスインチ/mNm) 137.2
- RPM 245 RPM
- 電力 - 定格 2.4W
- サイズ/寸法 直径25mm 51.8mm
- 重量 90g
カップリングは着地衝撃や走行時振動によって破壊されないことが求められる。
スリット型
4mm to 8mm 外径φ19mm×25mm
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ARLISSで複数ミッション行うことを想定し大きいバッテリーを積むことができる機体を設計しておく
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実験で使用した搭載バッテリー
2600[mAh] 3セル 11.1[V] 120 x 36 x 25[mm] 228[g]
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重量的に小さいバッテリーを選定したい
データシートよりモーターの消費電流は最大650mAである.また投下から20分の時間制限があるため、安全をとり1時間分の容量があるものを選定する.
選定したバッテリー
電圧: 11.1V; 容量: 650mAh; 放電率: 100C; サイズ(±2mm): 55*30*17mm(L*W*H); 重量(±10g): 57g;
ただしArlissでは3時間分の容量があるものを選定しなければ競技を行えない.機体のタイヤ回転軸中心付近にバッテリーを配置したいが、モーターが大きく配置できないため容量の大きいバッテリーの問題が解決できていない現状である.
- 内径φ8mm×外径φ16mm×幅5mm
- フランジ付きのものを採用する
- 静的定格荷重 710N
- 動的定格荷重 1610N
- 許容回転数 36000rpm
CanSatを落下させた時、走行させた時に曲げモーメント、せん断力がどのようにかかり伝わっていくかを考える.フレーム(赤枠)はタイヤから着地衝撃や回転数の違いによるせん断力を受ける.これらの力がかかった時どのように力が伝達するのかを示し、開断面をできるだけなくし強度を保つ。 橙矢印で想定される曲げモーメントを示す。また青矢印でボディに伝わるせん断力を示す。また着地衝撃緩和のためにベアリングマウントとタイヤはTPUで作成する。配線、モーターカップリング組付け性を考えフレームの金属部分にタップ加工し2点止めにより固定する.ねじが外れないようにねじロックというゆるみ防止剤を塗布する.