プロンプトエンジニアリングとは、AIとの対話を安定させ、精度を向上させることを目的とした技術です。同じAIモデルでも、プロンプトの設計次第で出力品質が大きく変わることがあります。
以下は、プロンプトエンジニアリングの主要なテクニックの一部です:
- Zero-shotプロンプティング: 例示なしでAIに出力を求める方法。
- One-shotプロンプティング: 1つの例示を示すことでAIの出力を誘導する方法。
- Few-shotプロンプティング: 複数の例示を示すことで、より具体的な出力を促す方法。たとえば、単体テストの実装例を複数示し、それに基づいて別の単体テストを作成させるなど。
- Chain-of-Thoughtプロンプティング: AIに段階的な思考プロセスを明示させることで、より論理的な出力を促す方法。
プロンプトは、システムプロンプトとユーザープロンプトの2つの要素で構成されます。
- システムプロンプト: AIの役割や応答の方向性を事前に設定するための指示文。例えば、Pythonコードの効率改善用AIであれば、その旨をシステムプロンプトで指定します。
- ユーザープロンプト: ユーザーがAIに具体的なタスクを指示するための入力文。
ReactとTailwind CSSを使用したWebページを作成する例を見てみましょう。
// プロンプト例
- Reactを含め、スタンドアロンページで実行できるようにします。
- Tailwind CSSを含めるには、このスクリプトを使用します。
- Google Fontsを使用できます。
- アイコンにはFont Awesomeを使用します。
- タグ内の完全なコードのみを返します。
- Markdownの "```" や "html" を最初や最後に含めないでください。
この例では、AIにReact/Tailwindのエキスパートとしての役割を与え、コードの完全性を保つための指示や、使用するライブラリを指定しています。また、出力形式に関する指示も含まれており、HTMLタグのみを返すように指示しています。
AIに対して特定の役割を担わせることで、より専門的な出力を得ることができます。上記の例では、「あなたは熟練したReact/Tailwind開発者です」という指示によって、AIは専門家として振る舞います。
コードの完全性を保つために、「コメントをせずに完全なコードを書く」ことを指示します。これは、不完全なコードスニペットや部分的な提案ではなく、すべてのコードを含む完全な出力を促すためのものです。
使用するライブラリを具体的に指定することで、品質を保ちつつ、AIが古いバージョンのライブラリを提案するのを防ぎます。また、AIが後で画像を生成できるように、プレースホルダー画像の利用と、代替テキストに画像の詳細な説明を含めることを指示します。
出力形式を明確に指示することで、Markdownなどの不要なフォーマットを排除し、HTMLタグのみを返すように制御します。
プロンプトの評価と改善は、AIとの協働を効率的に行う上で非常に重要です。プロンプトの評価はアジャイルに行うことが推奨されます。長大なプロンプトを一度に作成するのではなく、短いプロンプトを逐次入力し、AIの反応を確認しながら進めるべきです。
生成AIには「ハルシネーション」と呼ばれる、実際には知らない情報を知っているかのように出力する問題があります。そのため、AIの出力を鵜呑みにせず、常に確認することが重要です。
GitHub Copilotなどの自動補完型AIツールは、コードを書いている途中で、次々と小さなコードの断片を提案します。これにより、エンジニアは迅速な試行錯誤が可能になり、効率的な開発が実現します。また、GitHub Copilot Chatなどの対話型AIツールも、複雑な概念の説明やアルゴリズムの設計などに役立ちます。
- 開発支援AIツールの使い分け: 自動補完型、対話型、エージェント型など、状況に応じて適切なツールを選択することが重要です。
- 組織でのAI活用: AIを単なる生産性向上ツールではなく、戦略的なツールとして捉え、組織固有の情報を活用するためのカスタマイズが必要です。
- AIフレンドリーな情報整理: AIに情報を渡す際は、シンプルな構造と余分な意図を含まないようにする必要があります。
- プロンプトエンジニアリング: AIとの対話を安定させ、精度を向上させる技術。
- Zero-shotプロンプティング: 例示なしでAIにタスクを指示する方法。
- One-shotプロンプティング: 1つの例示を示すことでAIの出力を誘導する方法。
- Few-shotプロンプティング: 複数の例示を示すことでAIの出力を誘導する方法。
- Chain-of-Thoughtプロンプティング: AIに段階的な思考プロセスを明示させる手法。
- システムプロンプト: AIの役割や応答の方向性を設定する指示文。
- ユーザープロンプト: ユーザーがAIに具体的なタスクを指示する入力文。
- ハルシネーション: AIが実際には知らない情報を知っているかのように出力する現象。
- GitHub Copilot: コード補完を提供するAIツール。
- GitHub Copilot Chat: 対話型のAIツール。
- 自動補完型AIツール: リアルタイムでコード補完を提供するツール。
- 対話型AIツール: ユーザーとの対話を通じて問題解決をサポートするツール。
これらの要素を理解し、適切に活用することで、AIとの協働をより効果的に進めることができるでしょう。